知好楽@瀬戸田
瀬戸内海に浮かぶ生口島、瀬戸田町でのんびりと暮らしながら感じたことを    つれづれなるままに書いています。日々是好日(*~_~*)
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加治大作展覧会 Vol.9
耕三寺博物館学芸員で耕三寺主任絵師の加治大作さんの個展が、3月1日から5月7日まで、耕三寺博物館3号館「法宝蔵」で開かれています。
一昨年までのギャラリー「訶利帝母」と違って、昨年から「法宝蔵」での展示とあって、より落ち着いた雰囲気の中で絵画を鑑賞することができます。

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加治さんと知り合ってから10年以上が過ぎ、耕三寺での個展もVol.2以来毎年見させていただいていますが、今年も静かな会場の中で、しばらく日常を離れて絵画の世界にじっくり浸ることができました。

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以前加治さんご本人から、展覧会の開催に当たって何かしらテーマに沿った作品を選んでいる、という話があったので、最初はテーマ性を考えながら作品を見比べていたのですが、次第に自然の中を散策するような心地よさを感じました。

以前、加治さんの絵画の感想を「透き通った透明感。五感で感じられるまばゆいばかりの色彩から、上澄みだけをすくい取るような画法とでも言うべきでしょうか・・・」
と書かせていただいたのですが、『うみへ』(2015年)には、もはや海も水も描かれてなくて、ただその上を漂うかすかな潮風とやわらかな波間の光影だけが描かれていました。
そう、あたかも空気や風を透明なフィルターの上に重ね合わせているかのような立体感というか空気感というか・・・

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こうした傾向は、近年の淡い色彩の作品の中に多かれ少なかれ感じられていて、その都度似たようなことを書かせていただきましたが、今回のメインの2作品『お山』(2012年)と『あまなつと竹』(2016年)にも色濃く(というか色薄く)出ています。
描かれた木々の緑も淡く優しく、観ていて本当に落ち着きます。

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逆に、今後の展開が面白そうな感じがしたのが『きいろい』(2016年)で、対のシリーズで面白かった『間(イ、ロ、ハ、ニ、・・)』みたいな連作に発展すれば、楽しいかもと、思ってしまいました。

そして、今回最も驚いたのが、昨年のブログで、加治さんの作品ではカフェクオーレの中に展示されている「竹日」「波月」のオマージュともいえる
作品として紹介させていただいた『竹と波』(2015年)と対になっている作品と言える『竹と月』(2016年)が展示されていることでした。
「竹日」のまさに正反対をいく作品ですが、「波月」に描かれた月とも全く異なる、そう、しいて言えば昼間に見える白い月を描いたといえばいいのでしょうか・・・

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いわば、日本酒で米を磨く工程が極限まで進む過程を見るかのようなこの淡い色彩で、これから先、加治さんがどのように自然を描いていくのか、これからも楽しみにしています。
今年は、例年より展示期間が長く、ゴールデンウィークまで展覧会がありますので、春の行楽シーズンに耕三寺に来られた方は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね~(*^_^*)

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イリーナ メジューエワ ピアノリサイタル
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瀬戸田町ベルカントホール開館30周年記念
イリーナ メジューエワ ピアノリサイタルを聴きに行ってきました。
オールショパンプログラムでしたが、本当に素晴らしい演奏会でした。

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プログラムの最初は、ショパンといえばこの曲ともいえる幻想即興曲。
最初の嬰ト音は意外とあっさりと始まり、とっても端正な演奏でスタート。
それなのに曲が進むにつれ、詩情があふれてくる演奏でした。

マズルカはホロヴィッツやルイサダのCDで聴いて好きな2曲でしたが過度に内声や低音を強調することない素朴な演奏でした。

そして、演奏が終わると、メジューエワさんは必ず二度おじぎをされるんです。
とても謙虚な方なんだな~と感じました。

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そんなメジューエワさんは、実は楽譜を見ながら演奏します。
その思いは、プログラムに書かれていましたが、ここにメジューエワさんの演奏スタイルのすべてがあるという気がしました。
楽譜に書いてないデフォルメは刺激的で、曲の裏の裏をえぐるような演奏に心を奪われる瞬間も確かにあるんですけど、「自分が作曲者でない以上、作品は楽譜にしか存在しない」という考えに、演奏家のあるべき姿について改めて考えさせられました。

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とは言っても、メジューエワさんの演奏が機械的な演奏というのではなくて、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズでは左手のパートはべダルを効かせてふんわり響かせつつ、右手は明晰に聴かせて、長い曲を飽きさせることなく曲が進むにつれ盛り上がるように演奏していました。
どうやったら、あんな演奏ができるんでしょう!

そうかと思うと、続いてのワルツはほとんどノンペダルで軽やかにリズムを刻み、軽快な響きを披露。
まるでシルクのビロードの上をガラス玉が転がるような演奏でした。

そして、前半の締めくくりの嬰ハ短調のスケルツォ第三番。
プログラム最初の幻想即興曲と同じ嬰ハ短調の曲ですが、コンサートとかでもあまり取上げられない曲です。
どんな曲かと思いきや、コンサートも中盤ということでか、メジューエワさんも心の抑制を解いて、やや即興的な雰囲気での演奏でした。
具体的には、左手のリズムに微妙に遅らせて右手のメロディを弾くことで、音楽に立体感を出してました。
知り合いの音楽ファンの方が「ショパンの曲なのにベートーヴェンを感じさせる部分があった」と言ってましたが、もしかしたらこの演奏のことだったのかもしれません。

休憩後、後半の演奏。
軽やかな即興曲の演奏を経て、いよいよメインプログラムのピアノソナタ第3番。
個人的にはショパンのすべての作品の中でも特に好きな曲で、生で聴くのは初めてなので、本当に楽しみな演奏でした。

冒頭、がっしりした和音の連続で始まりますが、その部分でメジューエワさんは微妙なルバートを入れて、思わず「おっ」と引き込まれました。
しかも、鍵盤を押し込んだ後も、指をぐっと揺らせて音の響きをホールに刻み込むかのような力強い打鍵!

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ソナタの複雑な音型を弾き分けながら曲が進んでいきます。
しかし予想されたことですが、残念なことに、第1楽章が終わったところで拍手が・・・
これにはメジューエワさんも苦笑い(笑)
気を取り直して、第2楽章の演奏に。
今度は、楽章間をほとんど切らずに、第3楽章の緩序楽章の演奏に入りましたが、これが天国的に美しい!
全く飽きさせない、ただ音楽だけを感じさせるゆったりとした雰囲気がホールいっぱいに広がる中で、一気にフィナーレへ!!
冒頭、力強い和音の後でフェルマータの指示があるのですが、ここの間が思った以上に長くて「はっ」とさせられました。

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そして、中低音が響き渡る終楽章で、べーゼンドルファーをこれでもかと鳴らしまくります。
べーゼンドルファーを実際に弾いた方の話では、スタインウェイみたいにキラキラした音は出ないけど、タッチの底が非常に深いところにあって弾いていて底なしの感じがするのだとか・・・
そんなべーゼンドルファーをメジューエワさんは前日、当日と入念に弾き込み、自分の楽器にしていったうえでコンサートに臨んだらしく、終楽章は本当に圧巻の演奏ぶりでした。

曲が進み、音圧がふくらみ、感動が波のように押し寄せてきて、もう涙が出るのをこらえるので精一杯でした。
こんなにまでべーゼンドルファーが鳴りきった演奏会を聴いたのは、30年間に聴いてきたいろんなベルカントホールでのコンサートでも本当に久しぶりのような気がしました。

アンコールは、レコードアカデミー賞を受賞したメジューエワさんお得意のノクターンの中から遺作の嬰ハ短調 。
ミルシテインがヴァイオリンにも編曲していて、涙なしには聴けない名曲ですが、この曲選んでくださって本当に嬉しかったです。
そして、アンコール2曲目は、ショパンといえばこの曲ともいえる子犬のワルツ。
チャーミングな選曲で、ベルカントホール開館30周年記念にふさわしいコンサートの幕を閉じたのでした。

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終演後、関係者やファンの方とメジューエワさんを囲んで話をする場に参加させていただいたのですが、そこでもメジューエワさんはとても謙虚で、本当に好感が持てました。
また、機会があればぜひ演奏を聴いてみたいです。

ベルカントホールでのマイベスト公演といえる本当に本当に素晴らしいコンサートでした。



加治大作展覧会 Vol.8
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耕三寺博物館学芸員で耕三寺主任絵師の加治大作さんの個展が、今日3月1日から4月10日まで、耕三寺博物館3号館「法宝蔵」で開かれています。
昨年までのギャラリー「訶利帝母」と違って、ガラスの向こう側に展示された絵画を鑑賞させていただきました。

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加治さんと知り合ってから早10年が過ぎ、耕三寺での個展もVol.2以来、毎年見させていただいています。
1年前のブログ更新がVol.7の感想、2年前のブログ更新がVol.6の感想と、もはや確信犯ともいえるブログ更新の遅さの中で、毎年拙い感想を書かせてもらっていますが、今年は私が鑑賞に訪れると、それを見ていた耕三寺の職員さんが加治さんに連絡、到着後1分もしない間に加治さん直々に丁寧なお礼の言葉をいただきました(笑)

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閑話休題。
肝心の絵画の感想ですが、以前加治さんご本人から、展覧会の開催に当たって何かしらテーマに沿った作品を選んでいる、という話がありました。
そんな観点で眺めてみると、今年のテーマは「水」でしょうか・・・

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以前、加治さんの絵画の感想を「透き通った透明感。五感で感じられるまばゆいばかりの色彩から、上澄みだけをすくい取るような画法とでも言うべきでしょうか・・・」と書かせていただいたのですが、水面のかすかな動きをやわらかな光彩模様で描く様からは、空気や風すら絵に描いているかのような錯覚を覚えます。

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この技法は、加治さんの作品ではカフェクオーレの中に展示されている「波月」や今回展示されている「灯映」にも見ることができるのですが、昨年描かれた「竹と波」の中に、その完成形を見た気がしました。
そして、この「竹と波」は、カフェクオーレの中に展示されている朱と金で描かれた「竹日」のまさに正反対をいく作品ともいえます。
「竹日」「波月」とそのオマージュともいえる「竹と波」
近年、特に淡い色彩を好むようになった加治さんの心の軌跡を垣間見たような気がしました。

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今年は、例年より展示期間が長く、桜の季節まで展覧会がありますので、耕三寺に来られた方は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね~(*^_^*)

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加治大作展覧会 Vol.7
耕三寺博物館学芸員で耕三寺主任絵師の加治大作さんの個展が、今日2月14日から28日まで、耕三寺博物館内ギャラリー「訶利帝母」で開かれています。
加治さんと知り合ってから早10年が過ぎ、耕三寺での個展もVol.2以来、毎年見させていただいています。
ブログにも拙い感想を書かせてもらっていますが、その都度丁寧なお礼の言葉をいただき、いい気になって今年も感想を書いています(笑)
振り返ると、昨年の個展から1年ぶりのブログアップでした・・・(^^;)

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さて、今回も加治さん本人が会場におられたので、作品についていろいろと話を聞かせていただくことができました。
今年の見どころは、何といっても連作「間」のイからトまでを一度に見ることができることです。
過去にブログに感想を書いたところ、ご本人から「あの作品はイからトまでの連作なんですよ」と教えていただき、見当違いな感想を書いたことを恥ずかしく思ったものです。

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どんな芸術作品を鑑賞する場合でも、私たちは出口を見てそこから中に入っていくわけで、作者とは全く逆の道を通るわけです。
でも、作者本人の解説や描かれたときの状況を聞くことで、今まで気づかなかったことが見えてくるのが、新鮮だったりもします。

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今回見させていただいた作品の約半数は、私が加治さんと知り合う以前の作品。
明らかに作風が違ってきているのですが、それがここ生口島に移り住んできたことと、どれだけ関係しているのでしょうか。
平山郁夫画伯を生んだ瀬戸のたおやかな波間のようなここでの環境が、作品にいい影響を与えることにつながっていると私は信じたいですし、絵画という形で、これからも、ここ生口島の自然の素晴らしさを残してもらいたいと思っています(*^_^*)

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加治大作展覧会 Vol.6
耕三寺博物館学芸員で耕三寺主任絵師の加治大作さんの個展が、25日まで、耕三寺博物館内ギャラリー「訶利帝母」で開かれています。

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毎回見させていただいていますが、今回はなんと加治さん本人が偶然会場におられたので、作品誕生の裏側を思うままに質問させていただくことができました。

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個人的に絵画のいいところは、時間と空間を制約されないところだと感じています。
好きな絵の前で、いつまでも立ち止まることもできるし、近づいたり遠ざかったりと、距離感に応じて楽しむこともできます。

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好みもあると思いますが、最近は特に威圧されないような作品が好きです。
心にすう〜っと入ってくるというか・・・
作品と作風は、表裏一体となってしまうものなのでしょうが、今回展示された作品は、いずれも温厚な加治さんの性格をよく現しているように感じました。

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透き通った透明感。。。
五感で感じられるまばゆいばかりの色彩から、上澄みだけをすくい取るような画法とでも言うべきでしょうか・・・
気持ちにゆとりがないと、雑念を通してしか普段の景色を見られませんが、ふと立ち止まってみる景色が新鮮に見える優しさを感じられるような絵。
再び見ることができた「園心」にココロを委ねることができた安らぎのひとときでした。

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